人材紹介や人材派遣サービスを提供する企業にとって、大きな課題となるのが求職者の集客だ。
売り手市場が続き、集客に苦戦する企業も多い中、株式会社モード・プランニング・ジャパンは自社の求人情報サイトにチャットボット型Web接客ツールsincloを導入。人材の質を落とすことなく、応募件数を増加させることに成功した。
同社はどのようにチャットボットを活用しているのか、人材サービス事業部営業企画課の井上渉氏に話を伺った。
求職者の質を下げずに、応募件数を増やしたい
人材サービス事業部 営業企画課
井上 渉 氏
株式会社モード・プランニング・ジャパンは、保育・介護・看護業界に特化した人材紹介・人材派遣事業を展開し、多くの実績と高い評価を獲得している。長年にわたり保育園を運営してきた知見を生かし、採用企業のニーズに応えるとともに、求職者一人ひとりに専任のコンサルタントを付けることで、転職活動のスタートから入職後のフォローまで、細やかなサポートを行っている。
人材サービスを提供する企業にとって、最も重要なプロセスの1つが、求職者の集客だ。モード・プランニング・ジャパンも、自社の求人情報サイトに加え、さまざまな求人メディアや求人広告を利用し、集客に取り組んでいる。ただし自社サイトからの応募はモチベーションの高い求職者が多く、成約率も高い。どうすれば自社サイトの応募を増やすことができるのかと井上氏が悩んでいたとき、取引先の会社から紹介されたのが、チャットボット型Web接客ツールsincloだった。
同社では以前から、LINEアプリと連携したチャットボットのサービスを集客に活用していた。だがsincloについて調べてみると、LINEで利用していたサービスよりも費用が安く、カスタマイズも容易であることが分かった。LINEでの応募率や離脱率を参考にsincloの導入効果を予測したところ、十分な費用対効果が得られる見通しが立ったことから、井上氏はsincloの導入を決めた。
他媒体の1.5〜2倍の成約率を維持したまま、応募件数が純増
2021年9月現在、同社では求人情報サイト・キララサポート（保育・介護・看護の3種）とお役立ち情報サイト・キラライク（総合・保育・介護・看護の4種）にチャットボットを設置している。sinclo導入後は応募件数が増え、成約率も他媒体の1.5〜2倍と高い水準を維持しているという。チャットからの応募が発生する分、フォームからの応募が減るのではないかと井上氏は懸念したが、全体の応募件数も増加している。またフォーム経由の応募者と比べても、チャット経由の応募者は成約率がやや高くなっているという。
sincloの導入後、井上氏はほぼ毎日データを確認し、2〜3週間おきにメンテナンスを行っている。sincloは管理画面が使いやすいため、変更したい部分をすぐに修正できるのだ。導入当初、井上氏は求人情報サイト・キララサポートに求人情報検索のシナリオを、お役立ち情報サイト・キラライクに適職診断のシナリオを設定していた。だがキララサポート看護のチャット開始件数が伸び悩んだことから、こちらにも適職診断を採用。診断後にさらに詳しいキャリア診断を提案するという流れで、自然に個人情報などを入力してもらうシナリオを設定している。
「ここまでsincloを活用できているのは、sincloサポートチームの手厚いサポートのおかげです。質問に答えていただいたり、毎月の改善提案をいただいたりと、アフターフォローは120点だと思います。」（営業企画課 井上渉氏）
チャットの“気軽さ”が、人材集客の武器になる
井上氏はさらなるチャットボットの活用も視野に入れている。2021年9月現在は自社の求人情報サイトやお役立ち情報サイトにのみsincloを導入しているが、将来的には広告用LPでのユーザーへのアプローチや、応募済みの求職者や辞退してしまった求職者へのフォロー、また採用を希望する企業へのアプローチなどにも活用を検討している。sincloは設置するサイトが増えても費用が変わらないため、コストの心配なく活用の幅を広げることが可能だ。
「転職は人生の大きなイベントですから、求人情報に興味を持っても、次の一歩が踏み出せない、という方はたくさんいます。チャットボットを使えば、求職者の方に、気軽に転職活動を始めていただくことができる。加えて、設定やシナリオのカスタマイズが簡単にできるので、ユーザーに合わせたコミュニケーションにも適しています。チャットボットは人材ビジネスの分野で大きな効果を発揮するツールだと思います。」（営業企画課 井上渉氏）
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